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橋幸夫



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橋幸夫

法師の宿

作詞:星野哲郎
作曲:吉田正

過去を指したまま 時間はとまり
雨音だけが 過ぎてゆく樹海
落葉を踏んで さまよえば
誰が落とした 簪が
“忘れてはいやです”と
足駄にからむ 法師の宿

雨が止みました いい月ですよ
みて下さいと 窓をあける女
湯上りなのか 黒髪の
甘い香りに ふりむけば
一輪の カトレアが
夜風に白く 咲いていたよ
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淋しさを友に 暮らしていると
人恋しくて たまらないんだろう
生々し気に お酌する
細い手首に 傷の跡
“みつめては いやです”と
小袖で隠す 山家の女

虫の音をききに ぜひもう一度
約束してと 別れ惜しむ女
一度だなんて 水臭い
三度 四度を 待ちますと
言わせたい 泣かせたい
湯情が宿る 法師の宿