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鏡五郎



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鏡五郎

雪の桜田門~あゝ井伊大老

作詞:山北由希夫
作曲:吉田矢健治

黒船前にして 江戸城は
攘夷開国(じょういかいこく) 揺れ動く
たとえ刺客に 出逢うとも
男大老 決意する
あ…… 明日の日本を 救える道は
開国以外に 道はなし

(セリフ)
宵節句というに季節外れの雪ではござらぬか。
水戸の白梅が彦根の赤鬼を斬るには持ってこいの雪だ。
おのおの方、革新の大義をはたすには……「雨でもない」
……「風でもない」……大雪あるのみじゃ

めざすは大老(たいろう) ただ一人
水戸の浪士(ろうし)は 斬るという
時は三(さん)月 登城日と
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かたい約束 誓う酒
あ…… 菊は二度咲く 葵は枯れる
西からくつわの 音がする

(セリフ)
諸大名の行列がと絶えたあとである。
めざす彦根の一隊が一本道具を先に立て、
およそ同勢六十人、いずれも赤合羽にかぶり笠、
「下にー下にー」と進み出た。

見物するように 見せかけて
彦根行列 駕籠(かご)を待つ
不意をつかれた 大老は
桜田門の 雪と散る
あ…… 花の生涯 白刃の舞いに
むなしく天誅(てんちゅう) 受けて死す